今年の寒い日本を考えると、多分向こうも厳しいんだろうな、と考えつつ、今までにない緊張感に包まれながら臨んだのが今回のツアーであった。
まず記念の大会であるという ことと、今まで以上に参加人員が多くなり総勢26名になったことである。さらに、昨年も参加した鈴木道場の子供らはもちろん、半田少年柔道教室の5名の選手と小牧柔道教室の4名の参加という非常に大掛かりの編成になったからである。
(また、8年ぶりに九州の鬼熊と恐れられていた田路先生も参加された。)
また私事ながら、勤務先や所属が変わり仕事の内容が一変した矢先の時期も重なり、多忙を極めていた。
いままでのように、万全の準備ができにくかったのである。だが、失敗は許されないので、精一杯尽くそうと思った。
ツアー当日は、名古屋駅集合の出発であった。今までのきびしい天候がうそのように澄み渡っていた。
新幹線に予定通り乗るや否や、どっと疲れがでてきて、額からはガマの油みたいな汗がにじみでている。
何のトラブルもなければいいが‥・と、念じつつ関西空港へと向かった。
一路、関西空港より9時間行程のバンクーバーへ向かった機内は、超満員であった。気分も一杯一杯ながら、スノータウン・パンクーバーに到着した。バンクーバーに着いてビックリ、非常に暖かい……、名古屋より暖かい…何で!?
バンク−バ−につくと、高濱先生の弟子でカナダ人であるフラットリーさんが空港に私たちを出迎えてくれた。
「今年は、気候が暖かく、たぶん今日は8℃くらいなんじゃないか…」と、言われた。
8℃といえば、「ゴルフには絶好の日和の天気なのに」と、つい独り言が出てしまうほどであった。
一変に体調がよくなってきた。カムループスも天候はいいらしい。
さあ、行こう…。私にとっては、第二のふるさと自認できるカムループスへ!!
キ・キ・キ・と、小型プロベラ機の着陸の音とともに時差ぼけで眠り気の体がしゃきっとした。そして、小さい空港のターミナルには、いつもの顔々が待ちうけていた。いる いる いる、帰ってきたんだ。そう思いながらゆっくりと歩き、荷物の置き場へ…・。
今年で66歳になるヘンリー上田さんや片腕となって活躍してくれるRickさんの出迎えの顔も見える。この地に彼らがいないと、この事業は全く成り立たないほどこまめに活躍してくださる人々である。
そして、8年間も連続してのホストファミリーしてくださるイーストンさん、5年連続のメルビンさんの姿も見える。
感謝、また感謝と感動でいっぱいになる。積み重ねてきた、輪廻のような流れが心を揺さぶりながのら再会がうれしかった。
これから、この地で35名の真重な体験が繰り広げられるのだ…と、われにかえり子供達ひとり一人をみわたした。
子供らは、非常に緊張しているが、しかし、ツア−体験をしている田中雄太くんは、いつもどおり平常の大物ぶりで行動している。
又Rick さんは、自身のプライベートでいろいろあるみたいだが 今年は子供のマイケル君と一緒にいる(良かったね、Rickさん)。
いま実感しているのだ、この時間を実感しているのだと白身に問いかけてホテル組の車にのり、カムループス空港を後にした。
…(中略)…
あっという間に、大会も終わり、ほぼ全員入賞と優勝〜3位と今回は絶好調だった。高濱先生、加藤団長も面目を保った感があるが、相変らず手綱は緩めない(練習もきつかったみたいだ)。
次の日の歓迎レセプションは、涙ものだった。
我が方の高濱先生と加藤団長のツートップがひな壇の上で挨拶をし、全員が呼ばれてそれぞれに今回のツア−とカムループスの感想を述べた。
我に帰り、「何でこんなに長い期間この事業に俺は関係しているんだろう」
と、……それは、たぶん
「2度とこない人生を、1つのものに打ち込んだ人々のスポーツ交流にふれた者だけが味わえるここちよい国際コニュミティーにいることへの自分への自負感があるんだ」、と。
私は柔道の経験がまったくないし、たぶんこれからも試合にでることはないだろうと思うが、それでもこの“柔道’’という武道が生む人生観が自分なりに語れる誇りはあるように思う。
そう思えることを常に意識し、実感できる聖地、それがここカムループスのように思われる。
高濱先生との出会い、カナダへの感動旅行、“九州の荒熊”の意味不明な行動(そッちではないよ)、加藤団長のホテルでの寝不足(なにも夜の3時に起こされても、‥)物事は常に意味があるんだということへの心理探求へのイマ−ジュツアー、それかカムループス・トーナメントツア−であるんだという実感。
人生に感動、柔道に感動、カムループスに感動、へンリー先生、高濱先生、加藤団長始め皆さんにお礼と今後の継続を期待して感動に包まれてツアーを終えました。今回は、なんと茶帯までいただき、私も一応“プチ有段者もどき”になり、気分は格別ですが(胴衣も購入すべきかどうか悩んでいます…‥)
最後になったが、今回のツアーに関する制度上のことでの失態がままあったことだ。
特に12歳以下の子供に関してのカナダの制度がさらに厳しくなり、またエントリーも基準も違ってきたことを知り、今更ながら認識を早く察知して行くことの大切さや、過去の経験では何でもなかったことが、判ったりして恥ずかしい思いをしたが、心に深くしみこみ、勉強になった。
Kamloops よ! また1年後に逢おう!!!!!
中村さんと深草さんにも 乾杯か!!
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